INTERVIEW
美食中華 蓮花
人も調味料も、道具も空間も
本場中国の味と雰囲気を原宿で体感する
―中国との強いつながりがベース
横浜中華街から原宿へ。「美食中華 蓮花」は、本格的な四川料理を提供してくれるこの界隈では貴重な中華料理店だ。「本当においしいので、たくさんの人に知ってほしい」と、店長の佐々木暁(ぎょう)さんは話す。佐々木さんは中国出身、15才からずっと飲食店で働いてきたという。同系列の横浜のラーメン店を経て、ここにやってきた。料理長を務めるのは、同じく中国出身の陳聖源(ちん せいげん)さん。日本に本場の中国料理を伝えたいと来日して20年、数々の中華料理店で経験を積んできた。アルバイトにも中国の方が多く、すでに常連さんがついているスタッフもいるのだと、佐々木さんが教えてくれた。
香酢や黒醤油、オイスターソース、豆板醤、唐辛子などの調味料はもちろん中国産。紹興酒はボトルもあるが、陳さんのおすすめは、5年ものの「カメだし紹興酒」だそう。「ストレートで、濃い料理と合わせるのがおすすめです」。道具類もすべて、オーダーで中国から取り寄せた。


―揺るぎないベスト4を試そう
誰に聞いても、おすすめは変わらない。1位は、名前から迫力がある「四川炸裂スペアリブ」。豚肉をやわらかくするため、まず12分蒸してから、衣をつけて揚げる。その後に手早くスパイスと絡める。四川唐辛子、クミンなど10種類以上のスパイスに和えられて真っ赤になったスペアリブを目の前にすると怖気づいてしまいそうだが、一旦かぶりつくと止まらなくなる。不思議なくらい心地よい辛味に、スパイスまで全部食べた人もいたそう。「手袋をご用意しています。ただ、手は多少汚れても素手で食べて欲しい」と佐々木さん。手洗い用のお茶とおしぼりも用意、残ったスパイスは持ち帰ることもできる。「ボリュームがありますが、女性には半分に切ってお出しますのでご安心ください」。
続いて2位は、陳麻婆豆腐。陳建一さんのレシピを再現、グツグツと煮立った土鍋で提供される。中国の青山椒が味の決め手で、突き抜けるような辛味がやみつきになる。「ご飯が進みますよ。麺にのせてもおいしいです」。3位は、「蒸し鶏のねぎ生姜黒醤油ソースかけ」。じっくりと40分かけて蒸しあげることで、箸でほぐれる食感に。味つけの秘訣は、中国の黒醤油。選び抜いたこの黒醤油の銘柄は企業秘密で、「これですべての味が決まります」と料理長の陳さん。ネギと生姜も香り立ち、食欲をそそる。4位は、海老ワンタン。一つひとつ手包みされたワンタンは、プリプリの食感がたまらない。こちらも味つけには同じ黒醤油が用いられている。
番外編として、ほとんどのお客さんがオーダーするという「羽根つき手作り餃子」も紹介。独自のレシピで、秘伝の羽つきタレで焼き上げる。パリパリに仕上がったおこげの皮と、ジューシーな餡とのコントラストが、人気の秘密だ。
―ランチは最高にお得
食べ放題(バイキング形式)の9種類の日替わり前菜に、羽つき手作り餃子2個、5種類から選べるメインメニューがついたランチは990円。ご飯とスープもおかわり自由だ。「前菜でよくご用意するザーサイは、塩を落としてオリジナルの味つけをしています」と佐々木さん。どのメニューにも、丁寧な下ごしらえが感じられる。安くておいしくて、中華料理店らしい量にも大満足できるはずだ。
JINGUMAE COMICHI一番の広さと、3面ガラス張りの開放的な空間も魅力。ランチではお得感を。ディナーでは、大皿料理を分け合いながら、紹興酒をゆっくりと楽しみたい。
