INTERVIEW
ローマ軒
並み盛り400g、大盛り600g、べらぼ〜850gのインパクト
パスタではない“焼きスパゲティ”を味わう
―焼くことで旨味アップ & 食べやすく
一見するとローマの街中にあるようなイタリアンバルの風情。だがメニューは強烈だ。
焼きスパゲティ専門店として大阪でスタートした「ローマ軒」は、パスタならぬ“スパゲティ”をウリに、人気を博してきた。焼くことを前提に開発した2.2mmのオリジナル極太麺に、出汁やしょうゆで下味を付けながら炒めあげる。しっかりと焼いて、焼き目から出汁の旨みをしみ込ませる。並み盛り400g、大盛り600グラム、特大サイズの“べらぼ〜”はなんと850gというボリュームだが、焼くことで食べやすくなるのだそう。パスタがあえるイメージなのに対して、焼きスパゲティは麺を焼きつけて混ぜる。それによって麺にコクが出て、焼きそばのように手軽なB級グルメになる。
1番人気の「ジャポネーゼ」は、エビに豚肉、小松菜、シイタケ、玉ネギ、大葉、トマトと具だくさんで野菜もたっぷり。和風しょうゆ味で、まさに日本風の、焼きそば的スパゲティに仕上がっている。エビにベーコン、小松菜、シイタケ、玉ネギと、ちょっと変り種の「ナポリタン」が2番人気。目玉焼きをトッピングするのがおすすめだ。そしてスパゲティのサイズに合わせるように、タバスコと粉チーズもビッグサイズ。心おきなくかけることができる。
―ビールサーバーがアイキャッチに
ディナーは女性でも利用しやすいバルメニューが充実。お酒を飲みながら、野菜のピクルスやブロッコリーのアーリオオーリオといったヘルシーなおつまみを楽しみつつ、べらぼ〜を1皿頼んでシェアしたり、自家製のローストビーフや牛モモ肉のガーリックステーキ、鶏肉1枚を使ったチキンのカツレツなんかで締めるのもありだ。
カウンター、テーブルともに席には自分で注げるビールサーバーが設けられ、660円(税込)で30分飲み放題。ワインも赤白それぞれ10種類ほどが用意されていて、5種ずつから選ぶことができる飲み放題が同じく660円(税込)で提供される。「30分で30杯近く飲まれた方もいらっしゃいました。海外の方にはワインの飲み放題が人気です」と、店長の橋本大知さんが教えてくれた。


―仕事は身体に表れる
コンセプトに掲げる「おなかいっぱいの幸せ」そのままに、「たくさんの量をリーズナブルに食べて欲しい」と橋本さん。アルバイトで働いていた大阪のお店から、24歳の時に社員になって東京へ。「来た途端に店長になったので大変でした。引き継ぎに1日半しかなくて、発注やお金の管理、業者さんとの連絡などすべてを、経験なしで覚えないといけなかった」。今ではここJINGUMAE COMICHI店と八重洲店を行き来しながら、スタッフをまとめている。「仕事でガチガチになってしまわないように、メリハリをつけてもらえるように気をつけています」。
大量の麺を調理するのに30cmの特大フライパンをふり続けたために、「左手に筋肉がついた」と笑う。手を見せてもらうと、親指のつけ根がぷっくりとふくらんでいて驚く。「上半身のフィジカルも強くなりました」。
橋本さんがお気に入りの場所は、お客さんとの距離が近いカウンター。リクエストには可能な限り答える。1番好きなメニューを尋ねると、「もちろん全部食べていますが、最終的にはジャポネーゼに戻りますね」。まずはジャポネーゼ。それから他にトライしながら、お気に入りの焼きスパゲティを見つけて欲しい。一皿を一人で食べねばと気負う必要はない。がっつり食べたい人はもちろんがっつりと。飲んで、シェアして、そんな楽しみ方もできる和製イタリアンだ。
